多くの人はコーヒー以外にもカフェインを含む食品があることを知りません。カフェインに敏感な方や不眠を避けたい方は、食品中のカフェイン含有量を理解することが重要です。ここでは、日常的に摂取しがちなカフェイン含有食品について解説します。
なぜカフェインは眠気を覚ますのか?
カフェインは多くの植物に含まれるキサンチン系アルカロイドで、中枢神経を刺激し疲労感を軽減する作用があります。脳内にはアデノシンという物質があり、体が疲れたときに脳へ休息のサインを送ります。カフェインはこのアデノシン受容体に結合し、アデノシンの働きを阻害することで、眠気を感じにくくし覚醒状態を維持します。
適量のカフェイン摂取は神経伝達物質の分泌を促進し、脳の活動を高め、注意力や集中力を向上させます。しかし過剰摂取は動悸、不眠、胃腸障害などの原因になるため、摂取量の管理が重要です。米国FDA、欧州食品安全機関、カナダ保健省の推奨によれば、健康な成人の1日あたりのカフェイン摂取量は210~400mg(コーヒー3~5杯相当)までが目安です。
カフェインを含む主な食品
1. お茶
中国のような茶文化の国では、2023年の「中国消費者カフェイン認知・態度調査」で52.15%の人が「お茶にカフェインが含まれることを知らなかった」と回答しています。中国ではお茶の消費量が多く、カフェイン摂取源のトップはお茶、次いで茶飲料、タピオカティー、コーヒーとなっています。茶葉は中国人のカフェイン摂取の74.8%を占め、他の食品を大きく上回ります。
2. 抹茶
抹茶は緑茶から作られ、「アミノ酸多・クロロフィル多・茶ポリフェノール少・カフェイン少」という特徴がありますが、カフェインに敏感な方は摂り過ぎに注意しましょう。
3. タピオカティー
調査によると、27店舗51種類のタピオカティー全てに多量のカフェインが含まれていました。1杯あたり平均270mg、最大480mgに達し、これはコーヒー約4杯分やレッドブル8缶分に相当します。
4. エナジードリンク・コーラ
一般的なエナジードリンクやコーラにも少量のカフェインが含まれています。レッドブル1缶で約50mg、通常のコーラ1缶で約30mgです。
5. チョコレート製品
カカオ含有量が高いほどカフェイン量も多くなります。
- ダークチョコ30g:約23mg
- ミルクチョコ100g:約15mg
- チョコレートミルク250ml:約15mg
6. ココア・コーヒー風味のお菓子
プロテインバー、ココアやコーヒー味の焼き菓子、アイス、ヨーグルトなどもカフェインを含むことがあります。例えば、ココアパウダーを使ったティラミスも不眠の原因になることがあります。
7. 一部の鎮痛剤・風邪薬
カフェインには血管収縮作用があるため、一部の頭痛薬や風邪薬(感冒清熱顆粒、サリドンなど)にも含まれています。